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ジンベエザメは魚類最大のサメ。
成長すると体長10~12m、最大で20mにまでなるものもいます。
オシャレな模様と大迫力の大きな体、かわいい顔で大人からも子どもまで絶大な人気を誇っていますよね。
そんなジンベエザメですが、日本でジンベエザメを見ることができる水族館は現在4施設あるんです!
ジンベエザメの魅力と、施設ごとに特徴のある展示をご紹介します。
(2024年10月17日加筆修正しました。)
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ジンベエザメの生態
ジンベエザメは魚類最大
ジンベエザメは魚類の中で最大種で体長10メートル以上、体重20トンほどに成長します。
最大では体長20メートル、体重35トンというものが記録されています。
最大の生物とされるシロナガスクジラは体長27~30メートル、体重250トンほどあります。
同じ海の中で暮らす生き物ですが、クジラは哺乳類なので、魚類最大はジンベエザメです。
ジンベエザメの寿命
ジンベエザメの寿命は130年程度あると考えられます。
近年の研究で、体長から年齢を予測するという方法で計算されました。
なお、十分な大人となるのは25歳程度であるとのこと。
ジンベエザメについての研究では、まだまだわからないことも多く、130年生きるのかどうかは確証はありません。
これまでの骨から年齢をはかる方法では100歳前後と考えられてきました。
ジンベエザメが長寿な生き物の一種である、ということは間違いないようです。
ジンベエザメの名前の由来
ジンベエザメは漢字で書くと「甚兵衛鮫/甚平鮫」です。
その名前の由来は「甚兵衛」からです。
甚兵衛っていうのは甚平とも書きますが、日本に古くからある男性用ルームウェアのことです。
最近は、浴衣の代わりに小さいお子さんが着られていることが多いですね。
ジンベエザメの身体の模様が、この甚兵衛に似ていることから甚兵衛鮫と呼ばれるようになりました。
今でこそ色々な模様の甚兵衛がありますが、昔の甚兵衛は斑点のような模様でした。
甚兵衛を甚平と書いて「じんべえ」とも「じんべい」とも読むため、「ジンベイザメ」と言われることもあります。
しかし、この魚の標準和名は「ジンベエザメ」です。
ジンベエザメの目は歯のような鱗でおおわれている
ジンベエザメの白目の部分には片目で3000個近い鱗があります。
サメの鱗は、人間の歯と同じような成分や構造でできているので、歯が生えているといった感じです。
自由に目を引っ込めて隠すことができることもわかっています。
ジンベエザメにはほかの魚同様まぶたがありません。
目を引っ込めたり、目に鱗を持つことで外部から目を守っているのではないかと考えられます。
ジンベエザメの腸洗い
ジンベエザメは総排泄腔から腸を体外に出して、洗っていることがあります。
総排泄腔というのは、直腸と排尿口と生殖口をあわせた機関のことです。
つまりなんでもかんでも体外に排出されるものはこの穴から出てくるというわけです。
ジンベエザメは消化しきれなかった魚の骨や鱗、寄生虫などが腸に溜まってしまうと腸ごと体外に出して綺麗にしているのです。
これはジンベエザメに限らず、サメやエイに見られる行動です。
腸洗いは一瞬でなかなか目にすることができません。
総排泄腔から赤い腸が出ているのを見ることができたら、大変ラッキーですね。
0:13ごろ、水中がぶわっと黒くなるのですが、それが腸洗いの瞬間です。
排出物は見えますが、腸までは見えません。
ジンベエザメの出産?
ジンベエザメは多くの魚類と違い、子どもを出産する魚です。
とは言っても、哺乳類のようにお母さんのお腹の中で栄養をもらって育つわけではありません。
卵の栄養によって成長し、お母さんの体内でふ化する、というかたちをとります。
これを卵胎生と言い、サメやエイの仲間や熱帯魚の中にも同じような繁殖様式をとるものがいます。
卵胎生であれば、卵のあいだに他の魚に食べられてしまうリスクを無くすことができます。
ジンベエザメは一度に300匹以上の子どもを出産すると言われています。
一方で出産するのは数年に一度であり、繁殖能力は高いとは言えません。
飼育下で繁殖した例もなく、ジンベエザメの出産はいまだに謎につつまれています。
ジンベエザメの飼育
ジンベエザメの食事は意外と少ない?
ジンベエザメはオキアミなどのプランクトンをろ過して食べています。
つまり、大きく口をあけて海水ごとプランクトンを取り込み、海水を吐き出すという方法です。
最近の研究で、海藻などの植物性のえさも食べていることが判明しました。
体長5mほどのジンベエザメを飼育している海遊館ではオキアミ、イサザアミ、サクラエビなどを、1日に約8kgほど与えています。
体長が同程度のシャチだと100㎏程度の食事が必要であることを考えると、ジンベエザメはとても小食だといえるでしょう。
美ら海水族館の巨大ジンベエザメ(体長9m弱)でも食事量は一日に30㎏ほどです。
ジンベエザメの飼育は難しい?
ジンベエザメは身体が大変大きいうえ、繊細な性格で飼育がむつかしいとされてきました。
1934年に中之島水族館(現三津シーパラダイス)が世界で初めての生簀による飼育に成功しました。
水族館内で飼育されたのは1980年の国営沖縄記念公園水族館(現美ら海水族館)が初です。
現在でも完全に成長したジンベエザメを飼育することはむつかしく、一定の大きさになると海に返しているケースが多いです。
成熟した個体を飼育している美ら海水族館は世界的に見ても大変貴重です。
ジンベエザメがいる水族館
海遊館(大阪府)
海遊館では1990年のオープン以来、ジンベエザメの展示を続けています。
現在展示されているのはオスの8代目海(かい)くんとメスの4代目遊(ゆう)ちゃん。
海遊館ではオスのジンベエザメの愛称は「海くん」、メスは「遊ちゃん」が引き継がれます。
8代目海くんは先代の海くんと交代で2024年10月2日に海遊館に搬入され、3日から展示されています。
搬入時の体長は4.7m、推定体重700㎏とまだまだ小型です。
成長を見守りたいですね。
海くん遊ちゃん以外では、過去に「大くん」「天ちゃん」と名づけられたジンベエザメもいました。
海遊館では、水槽の大きさの関係で、6mまで成長したジンベエザメは海へ戻し、新しいジンベエザメを搬入することにしています。
放流する際には、記録装置をつけ、行動を観察しています。以前の調査では、フィリピンの海域まで泳いでいることが確認されました。
先日引退となった7代目海くんも記録装置をつけて、太平洋へと放流されました。
【海遊館】太平洋に放流されたジンベエザメはどうなる?どのようなデータが得られるか期待がかかります。
一方、新しいジンベエザメは、太平洋沖で定置網にかかったものを譲り受けています。
高知県にある海遊館の海洋生物研究所(以布利センター)で飼育・健康チェックを経て海遊館へデビューします。
海遊館では、ジンベエザメのいる「太平洋水槽」のバックヤードを見学できる特別ツアーを用意しています。
対象は小学生以上で、入館料は別途必要となります。
- ジンベエバックヤード:1500円
- ジンベエバックヤード(お食事タイム見学):2500円
ツアーチケットは窓口での販売または、公式サイトからツアー付きの入館券をお買い求めください。
海遊館(大阪府)
場所 | 大阪府大阪市港区海岸通1-1-10 |
営業時間 | 10:30~19:00ほか ※季節・曜日等により異なる |
休館日 | 不定休 |
公式サイト | 世界最大級の水族館 海遊館 (kaiyukan.com) |
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海遊館の研究施設以布利センターでジンベエザメを見学できます。
沖縄美ら海水族館(沖縄県)
美ら海水族館で展示されているジンベエザメは、オスのジンタ。
1995年から飼育を開始し、今年で27年!世界最長飼育記録を更新中です。
体長はなんと8.8m。他では見ることのできない大きさは圧巻です。
美ら海水族館には以前3匹のジンベエザメが飼育されていましたが、成長に伴い水槽が狭くなってしまったことや、繁殖を目標として1匹が沖合のイケスに移されました。
その後、水槽内にいたメスが死亡。(2021年6月)
以来、展示されているのはジンタのみです。
美ら海水族館では、ジンタ以外のジンベエザメには名づけをしないことにしています。
沖縄美ら海水族館(沖縄県)
場所 | 沖縄県本部町石川424 |
営業時間 | 通常期 8:30~18:30 繁盛記 8:30~20:00 |
休館日 | 12月の第1水曜とその翌日 |
公式サイト | 沖縄美ら海水族館 (churaumi.okinawa) |
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沖縄ではジンベエザメと泳ぐことができるスポットもあります。
いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)
現在展示されているのはオスの10代目ユウユウ。
2000年からジンベエザメを展示しています。
初代ジンベエザメが飼育一周年をむかえた時、大水槽を悠然と泳ぐ姿から公募で「ユウユウ」と命名されました。
以来、いおワールドにやってくるジンベエザメはオスでもメスでもユウユウを引き継いでいます。
いおワールドではジンベエザメの体長が5.5mに達する前に発信器を取り付けて野生へ返していて、この方式は「かごしま方式」と呼ばれています。
ジンベエザメのいる黒潮大水槽へのえさやりを見学することができます。
毎朝10:15に実施されており、入館料のみで見学可能です。
いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)
場所 | 鹿児島県鹿児島市本港新町3-1 |
営業時間 | 9:30~18:00 ※特別営業時間あり |
休館日 | 12月の第1月曜日から4日間 |
公式サイト | いおワールドかごしま水族館 (ioworld.jp) |
のとじま水族館(石川県)※展示を再開しています!
のとじま水族館は日本海側で唯一ジンベエザメの展示を行っている水族館で、2010年から飼育を続けています。
しかし、2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災し、停電などの影響から飼育されていたジンベエザメ2匹も死亡してしまいました。
のとじま水族館は7月20日より一部営業を再開。
当初ジンベエザメのいない中での再開となりましたが、なんと10月11日、待ちに待ったジンベエザメがやってきました。
今回展示されたのは、9月上旬に志賀町沖の定置網で捕獲されたメス1匹です。
のとじま水族館入口すぐの「ジンベエザメ館」では、水槽を囲むように通路が設計されており、全方位からジンベエザメを眺めることが可能です。
加えて、水槽の上からも見学することができるようになっており、まさに日本一ジンベエザメとの距離が近い水族館なのです。
のとじま水族館には、ジンベエザメのファンクラブ「ジンベエザメクラブ」があります。
会費は無料で、メール受信が可能な方なら誰でも入会可。
月一回のメルマガ配信や、会員限定イベントにも参加できます。
詳細は公式サイト「ジンベエザメクラブ」ご案内からご確認ください。
のとじま水族館(石川県)
場所 | 石川県七尾市能登島曲町 15部40 |
営業時間 | 3月20日~11月30日 9:00~17:00 12月1日~3月19日 9:00~16:30 |
休館日 | 12月29日~31日 |
公式サイト | のとじま水族館 (notoaqua.jp) |