当サイトはプロモーションを含みます。
2023年1月に淀川に現れたマッコウクジラの通称「淀ちゃん」。
湾内で死亡してしまったことで死骸の処理方法についても注目されました。
クジラの死骸は放置しておくと爆発の危険もあるということで、対応が急がれたのです。
結果、淀ちゃんは紀伊水道に沈めることとなりましたがクジラが爆発するって一体どういうことでしょうか?
クジラの死骸の処理方法についてご紹介します。
マッコウクジラの生態はこちら
クジラの爆発とは
クジラの爆発はなぜ起きる?
クジラは死亡すると、内部にメタンガスが溜まって膨張し、さらに蓄積すると破裂してしまいます。
これをクジラの爆発と呼んでいます。
メタンガスはクジラが腐敗する過程で、体内に大量に繁殖した細菌によって作り出されます。
自然に爆発する場合もあれば、解体作業中に刃物を入れた瞬間爆発することもあります。
クジラの死骸の胸ヒレが反り返っているとメタンガスが溜まっている証拠で、その角度によって爆発までのカウントダウンがわかると言います。
【閲覧注意】クジラの爆発をとらえた決定的瞬間です。
映像のクジラは漂着して2日経ったマッコウクジラだということです。
生物学者の方が、解体しようとクジラに切れ込みをを入れたところ爆発しました。
このように、解体の最中に爆発する場合もあれば、放置した結果自然に爆発することもあります。
クジラの放つ悪臭
死亡したクジラはすぐに腐敗が進みます。
これはクジラが厚い脂肪を持っているためで、死亡しても体温が外に放出されず、内部がどんどん腐っていきます。
そのため、クジラの死骸はとても臭いです。
周辺の住民の方によると淀川クジラの死骸も魚の腐ったような臭いがするとのこと。
クジラが爆発してしまうとクジラの体液、内臓、油、肉片などが飛び散りそれこそ大惨事になってしまいます。
しかも油分が多いので臭いはなかなかとれません。
その上、感染症などのおそれまであります。
死亡したクジラには安易に近づかないようにしてください。
クジラの処理方法
クジラの死体の処分方法
漂着したクジラの死体は、周辺の環境を守るために早急に処分する必要があります。
学術調査が行われ、標本などとして利用される場合も残った肉は処分しなくてはなりません。
処理方法は次の三つ。
- 埋却処分
- 焼却処分
- 他海域への移動(海に沈める)
淀川に現れたマッコウクジラは、③の他海域への移動が決定し、紀伊水道へ沈めることとなりました。
なお、骨格標本にする場合は埋却し、2年程度経って肉が土に還ったところで骨を掘り出すのが一般的です。
クジラのガスを抜く
クジラのお腹の部分を切って、体内に溜まったガスを抜く必要があります。
クジラのガスを抜かないとどうなる?
- 浮力が大きくなり海に沈めることができない
- 爆発の危険がある
海上にクジラがとどまっている場合、海上を汚染しないようにクレーンで台船に乗せます。
クジラのガスを抜くには、まずクジラ包丁や造林鎌(柄の長い鎌)で表皮に切れ込みを入れます。
次に、ゆっくりと内臓に切れ目を入れて、内臓部分のガスを抜きます。
クジラが大型の場合は、表皮の切れ込みの上部にワイヤーを通してクレーンで引っ張りながら内臓部分のガスを抜きます。
クジラを海に沈める
巨大なクジラは海に沈めるのも大変です。
沈めようとする海域に運んで放流しただけでは、またどこかに流されてしまうかもしれません。
そこで重りを付けて沈めます。
淀川クジラのような15m級のクジラであれば、30t以上の重りが必要となります。
海に沈めたクジラはどうなるの?
クジラの死骸が海底に沈むと、長い年月をかけて分解されてゆきます。
その過程でクジラの肉は大小たくさんの生物の食物となり、骨は住処となります。
食物連鎖の循環が行われることとなるのです。
このようにして、淀川クジラも海へと還ってゆくことでしょう。
一連の淀川クジラ騒動ではクジラが海に戻れず、死亡してしまったことは残念でしたが、爆発する前に対応することができて良かったと思います。
淀ちゃん、やすらかに。
あわせて読みたい
東京湾にはトドが来た!