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島根県にある水族館、島根県立しまね海洋館アクアスでシロイルカの赤ちゃんが生まれ、そのうちアンナ親子の一般公開がはじまりました。
アクアスでシロイルカの赤ちゃんが公開されるのは実に10年ぶり。
これは見に行かねばということで先日アクアスに行ってまいりました。
赤ちゃんもさることながらアクアスと言えばシロイルカがバブルリングを出すパフォーマンスも見逃せません。
アクアスにはどんなシロイルカたちいるのかと、シロイルカがどうやってリングを作っているのかをまとめてみました。
目次 非表示
アクアスのシロイルカ
アクアスにはいるシロイルカは何頭?
アクアスには2024年9月現在7頭のシロイルカがいます。
本館のシロイルカパフォーマンスプールに2頭、別館のシロイルカ繁殖プールとバックヤードに赤ちゃん2頭を含む5頭がいます。
現在パフォーマンスプールでパフォーマンスを行っているのはシーリャとミーリャの兄妹です。
繁殖などの諸事情により個体の入れ替えが行われたり、パフォーマンスが中止されることもあります。
アクアスで飼育中のシロイルカ
- ランゲル♂
- ナスチャ♀
- アンナ♀
- 赤ちゃん♀
- 赤ちゃん♂
- シーリャ♂(パフォーマンス出演)
- ミーリャ♀(パフォーマンス出演)
過去に飼育していたシロイルカ
- アーリャ♀
- ケーリャ♂
開館時にやって来たシロイルカたち
アクアスは中四国最大級の水族館として2000年4月にオープンしました。
開館に合わせて展示するため、1999年にロシアから5頭のシロイルカが搬入されました。
やってきたのは、オスのケーリャ(2023年没)、ランゲル、メスのアーリャ(2024年没)、アンナ、ナスチャです。
搬入当時は2~4歳ほどでした。
若いシロイルカは白い色をしておらず、グレー色で、年が経つごとに白くなってゆきます。
開館時には「シロイルカなのに白くない!」と驚かれたそうです。
2007年にソフトバンクのCMで「島根のおじさま」として一躍有名になったのは、ケーリャです。
アクアス生まれのシロイルカたち
アクアスではシロイルカの繁殖にも成功しています。
アクアスのシロイルカは、春ごろに繁殖期を迎えます。
妊娠期間14~16か月を経て、翌年の夏ごろに赤ちゃんが誕生します。
シロイルカパフォーマンスに出演しているシーリャとミーリャの兄妹もアクアス生まれです。
どちらも父ケーリャ、母アンナの子どもとして生まれました。
ほかに生まれてすぐに亡くなってしまったシロイルカたちもいるのですが、シロイルカの赤ちゃんの生存率は50%ほどと考えられ、飼育下での繁殖は大変難しく貴重なことです。
2023年にはアンナとアーリャの2頭が同時に妊娠し、翌2024年に久方ぶりの赤ちゃん誕生となりました。
2024年に生まれたシロイルカの赤ちゃん
アンナの子
6月24日、アンナがオスの赤ちゃんを出産しました。父親はランゲルです。
母アンナのもとですくすくと成長し、8月10日からの限定公開を経て、9月4日から一般公開されています。
アーリャの子
アーリャの子どもはメスで、7月1日に生まれました。こちらも父親はランゲルです。
母親のアーリャは出産後、乳腺炎を発症しすぐに亡くなってしまいました。
しかし、アーリャの子どもは飼育員さんたちによる人工保育ですくすくと成長中です。
飼育員さんたちの愛情を受けて育つ様子は公式インスタグラムなどで見ることができます。
シロイルカの赤ちゃんの特徴
シロイルカの赤ちゃんは生まれた時は濃いグレーの色をしています。
それが生まれてから一月ほどすると、脱皮して薄いグレー色になります。
その後も年々グレーの色が薄くなり、最終的には真っ白な色になります。
2014年生まれのミーリャもまだ完全には白くなっていないそうです。
ただ、ミーリャはパフォーマンスプールの照明下で見る分には十分白いように見えます。
生まれたばかりの赤ちゃんは人間の成人女性くらいのサイズです。
シロイルカの成獣は4m前後あるので、比べると大分小さいです。
生まれて数週間はお腹に胎児皺、胎児線などと呼ばれるしわが見られます。
これは、母親のお腹にいた時に丸まっていた名残で、シロイルカ以外のイルカやクジラにも見られます。
プレ公開で赤ちゃんを見た時には、まだうっすらしわがあるように見えたのですが、気のせいと言われたらそうかもしれません。
二か月以上経った今はもう消えていると思います。
スナメリとの違い
瀬戸内海などで暮らす小型のイルカで、スナメリという生物がいます。
このスナメリ、体長2mほどで吻(くちばし)も背びれもなく、グレー色をしていて、シロイルカの赤ちゃんにそっくりなのです。
シロイルカには一応吻はありますが、短く目立ちません。
写真などで見るとすごく似ているなと思っていたのですが、やはり実物を見ると違いました。
シロイルカはもともと北極圏で暮らす生物です。
寒い海で暮らしているので身体に脂肪をたっぷり蓄えています。それは赤ちゃん時代から同じです。
シロイルカの赤ちゃんはずんぐりというか肉付きが良いです。
対してスナメリは細長くて、小顔です。
また、わかりやすい部分で言うと胸ひれの形が違います。
シロイルカは赤ちゃんの時から四角いヘラのような形をしていますが、スナメリは先になるに従って細い形状をしています。
スナメリやシロイルカの赤ちゃんを見る機会があればぜひ注目してみてください。
アクアスにはスナメリはいませんが、同じ中国地方であれば宮島水族館(広島県)や海響館(山口県)にいます。
また、現在日本でシロイルカとスナメリ両方を飼育している水族館はありません。
シロイルカパフォーマンスのバブルリング
リングの種類はいくつある?
アクアスのパフォーマンスでは3つのリングが登場します。
シロイルカパフォーマンスのリングの種類
- バブルリング・・・2005年~
- マジックリング・・2012年~
- ミラクルリング・・2016年~
バブルリングはどうやって生まれた?
バブルリングはシロイルカたちが遊びの中から生まれました。
最初にバブルリングを始めたのはアーリャで、トレーニングを重ねた結果、パフォーマンスで披露することができるまでになりました。
シロイルカがバブルリングを作って遊ぶことはよくあることですが、これをパフォーマンスに昇華させたのは世界初のことです。
アーリャに続き、ケーリャとナスチャも加わり、3頭同時でのパフォーマンスはTVで取り上げられるなどして有名になりました。
現在はアーリャの子どもであるシーリャとミーリャがパフォーマンスを行っています。
日々のトレーニングによってシロイルカたちはバブルリングを進化させており、ハート型のバブルリングを出したり、連続でバブルリングを出したりする技も編み出しました。
私が見た時は8連続でした!
バブルリングの作り方
シロイルカは口周りの筋肉が発達していて、口から勢いよく水を吹き出すことができます。
水中で勢いよく水を吹き出すと、リング状の渦ができます。
でんじろう先生の空気砲の要領です。
ただ、リング状になっていると言っても水流だけでは目にすることができません。
口に空気を溜めて勢いよく吹き出すことでバブルリングとなって現れるのです。
イルカは口で呼吸をしていません。頭頂部にある噴気孔で呼吸をします。
肺から口に空気を送ることはできないので、ダイバーさんに空気を吹き入れてもらったり、噴気孔から出した空気を咥えて口に空気を溜めて使っています。
バブルリングはシロイルカだけの技?
実はバブルリングはシロイルカに限った技ではありません。
海響館(山口県)やマリンワールド海の中道(福岡県)のスナメリたちもパフォーマンスの中でバブルリングを披露しています。
バンドウイルカがバブルリングで遊んでいる例もありますし、なんと人間でも作ることができます。
バブルリングの作り方はイルカでも人間でも同じなので、興味がある方はお試しください。
マジックリングの作り方
アクアス生まれのシーリャは母親のアーリャに倣い、幼少期からバブルリングをつくることができました。
そんなシーリャが生み出し、2012年からパフォーマンスで披露しているのがマジックリングです。
マジックリングは頭の上にバブルリングを作り出す技です。
作り方は、口から水を吐き出してリング状の渦を作り、そこに噴気孔から空気を吹き込むというもの。
器用なシーリャならではの技です。
なお、噴気孔から直接空気を吹き出してリングを作ることはほかのイルカでもよく見られます。
ミラクルリングの作り方
マジックリングの応用版としてシーリャが生み出した大技がミラクルリングです。
シロイルカの身体の周りに突然リングが現れるという技で、2016年からパフォーマンスで公開されています。
作り方は、マジックリング同様口から水を吐き出してリング状の渦を作り、その渦の中をくぐりながら噴気孔から空気を送り込むというものです。
リング状の渦は空気を送り込まれてはじめて目にすることができるので、何もない所から急にリングが現れたかのように見えるのです。
このリング、原理が分かったうえで見てもキツネにつままれたような気分になります。
シーリャは芸達者だなあ・・
この技は世界中でシーリャしか行うことができないそうです。
アクアスのシロイルカたちの技術は日々進化しているので、これからまた新しい技ができるかもしれませんね。
シロイルカたちのパフォーマンス、ぜひ体験してみてください。
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