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兵庫県神戸市の須磨海浜水族園(通称スマスイ)には国内最高齢の魚がいます。
その魚は「ガーじぃ」と呼ばれて市民に親しまれているのですが、「ガーじぃ」一体何者でしょうか。
ガーじぃの正体はアメリカ原産のロングノーズガーという淡水魚です。
今回はロングノーズガーと最高齢ガーじぃの魅力についてご紹介します。
目次 非表示
ロングノーズガーとは
ロングノーズガーの生態
ロングノーズガーはガーと呼ばれる淡水魚の仲間です。
細長い身体で全身が硬いウロコで覆われています。
ロングノーズガーはガーの仲間の中でも最も長い吻(口)を持っているのが特徴です。
最大で体長2m、体重22㎏ほどになります。
ロングノーズガーは肉食で、小魚や甲殻類などを食べます。
吻が細長いため、大きな魚を食べることはできません。
ロングノーズガーの寿命は通常10~20年程度と言われています。
ロングノーズガーは浮袋が肺の機能を持っていて、口先を水面から出して空気呼吸を行うことができます。
そのため、水中の酸素濃度が低くても生きることができます。
ロングノーズガーの生息地
カナダ、アメリカ合衆国、メキシコなど北アメリカ大陸東部に広く分布しています。
淡水魚で、河川や湖に生息していますが、汽水域でも見られます。
ロングノーズガーの飼育
ロングノーズガーを含むガー科の魚は、以前は個人飼育も可能でした。
しかし、想像以上に巨大に成長することなどから川へ放流される事案が続き、2018年から特定外来生物に指定されてしまいました。
結果、現在では販売や譲渡が禁止されており、新たな個人飼育はできません。
2018年以前から飼育している場合に限り、環境省から許可を得て飼育することが可能となっています。
なお、水族館や動物園で特定外来生物を新たに飼育する場合についても、環境省の許可が必要です。
スマスイの人気者「ガーじぃ」
ガーじぃのプロフィール
1977年3月1日、須磨海浜水族園(神戸市)の前身である須磨水族館でガーじぃは生まれました。
ロングノーズガーの繁殖は世界初で、ガーじぃの兄弟たちは日本各地の水族館にわかれて暮らすこととなりました。
ガーじぃは2014年から飼育下ロングノーズガーの世界最高齢記録を絶賛更新中です。
また、国内の飼育魚類としても最高齢となっています。
こちらは2019年の映像ですが、まだまだ元気に生活しています。
ガーじぃはスマスイの飼育員さん曰く「敬意を表して」ガーじぃと呼ばれていますが、なんと性別不明です。
もしかしたら「ガーばぁ」かも知れないのですね。
スマスイとガーじぃのあゆみ
1995年の阪神大震災の時、水族館にも大きな被害がもたらされ、290種11000匹あまりの飼育生物が死んでしまいました。
おもな原因は震災による停電で、水温を保つヒーターや、水中に酸素を送るエアーポンプなどの機械が停止してしまったことによるものでした。
そんな中でも、ガーじぃは生き抜きました。
ロングノーズガーはカナダの冬を越すことができるほど寒さにも強く、空気呼吸ができる(ロングノーズガーの呼吸法参照)ため、停電した環境下でも生き残ることができたのです。
須磨海浜水族園は2023年5月を持って営業を終了しました。
2024年に同地でオープンした神戸須磨シーワールドでもガーじいは展示されています。
これからも神戸須磨の地で元気な姿を見せて欲しいですね。
(2024年7月内容を一部変更しました。)
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