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アザラシって可愛いですよね!
水族館ではその愛らしいボディを余すところなく披露してくれています。
時に都会の川に現れて人気者になったりもしていますね。
そんなアザラシですが、野生ではよく肉食獣に捕食されています。
一昔前までは日本でも普通にアザラシを食べていました。
現在でもアザラシを食べる文化があるところもあって、実は日本でも食べることができるんですよ。
というわけで、食料としてのアザラシの魅力に注目してみました!
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アザラシは肉食獣の大好物
アザラシを食べる動物
アザラシは世界に19種おり、北極圏から熱帯、南極圏まで幅広く生息しています。
このアザラシ、多くの動物にとって捕食対象となっています。
海ではシャチやホホジロザメ、海岸ではヒグマなどがアザラシを捕食します。
なかでもホッキョクグマはアザラシを主食としています。
また、アザラシの死体はオオワシなどの大型の鳥も好んで食べます。
成獣ともなると生きたまま捕まえることは難しいですが、赤ちゃんアザラシなら連れ去ってしまうこともあります。
アザラシが捕食される理由
アザラシは泳ぐ速さは時速20㎞ほどですが、非常に高い潜水能力をほこり、魚類やイカ、エビなどを捕って食べています。
水族館などで一番よく見るゴマフアザラシで一日約3㎏ほどの食事をとります。
そしてその栄養を身体に溜め込み、体脂肪率50%前後と非常に脂がのった身体をしています。
栄養価が高いアザラシは、捕食者たちにとって最高のご馳走となるのです。
シャチやホホジロザメはアザラシの倍以上の速さで泳ぐことができるので、泳いでいるアザラシに追いついて狩ることができます。
硬いウロコや、大きな牙も持たないアザラシは大した抵抗もできずに捕食されてしまうのです。
アザラシは哺乳類なので、ずっと水の中にいるというわけにはいきません。
出産も陸上や氷上で行います。
そのため、岩場や氷上にいる時を狙われるケースもあります。
アザラシはヒレを使って歩くことができないので、尺取虫のように身体を動かして移動します。
スピードがでるはずもなく、簡単に捕まってしまうのです。
また、北極圏にいるアザラシは息継ぎをするために氷の隙間から顔を出します。
ホッキョクグマはそのタイミングを狙ってアザラシに強力なパンチを浴びせるのです。
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アザラシを食べるアザラシ
アザラシを食べるアザラシもいます。
南極大陸周辺に棲むヒョウアザラシは体長3mほどにもなる巨大なアザラシで、ペンギンやほかのアザラシを捕食する獰猛なアザラシです。
北大西洋の沿岸に棲むハイイロアザラシはやや大型のアザラシで、体長2mほどになります。
こちらもゼニガタアザラシやネズミイルカを捕食し、共食いもするなど非常に凶暴なアザラシです。
しかし、このような危険なアザラシでさえ、シャチや大型のサメにとっては捕食対象なのです。
世界のアザラシ食文化
イヌイットとアザラシ
北極圏に住むイヌイットは、魚や動物の肉を食べて生活していますが、主な食糧源となっているのはアザラシです。
夏はカヤックで猟に繰り出し、冬はアザラシが氷の間から顔を出したところを狙って銛で突きます。
生で食べることが多いですが、鍋で煮ることもあります。
血はビタミン源なのですすって飲みます。内臓から肉まで捨てるところはありません。
アザラシの脂身にベリー類を加えてアイスクリームのようなデザートにもなります。
皮は加工して衣類などに利用されます。
アザラシを利用して作るキビヤック
イヌイットが作る伝統的な発酵食品に「キビヤック」というものがあります。
世界の異臭料理として有名で、一説によるとあのくさやよりも臭いらしいのです。
アザラシ料理と言うよりは、アザラシを利用した料理なのですが、これがなんとも衝撃的な作り方なのです。
まずアザラシを捕まえて、お腹を割き、内臓と肉を全部取り出します。
アパリアスという海鳥を数十から数百羽、先ほどのアザラシのお腹の中に詰め、地中に埋めて2か月から数年熟成させます。
その後取り出したアパリアスの内臓をすすり、肉もそのまま食べます。
どんな味かちょっと想像もつきませんが、ハマる人はハマる味だそうです。
北極圏では植物性のビタミンをとることがむつかしいため、生肉が貴重なビタミン源とされています。
発酵させることでさらにビタミンを増やすことができるという生活の知恵なのです。
日本ではキビヤックを取り扱っているところはないようですが、カナダなどに行けば食べることができます。
日本のアザラシ食文化
アイヌとアザラシ
アイヌ語でアザラシは「トゥカラ」といいます。
ここから北海道ではアザラシのことを「とっかり」と呼んでいます。
ほかにもアザラシには多数の呼び名が付いていて、アイヌの人々にとってアザラシがいかに身近だったかがわかります。
「ゴールデンカムイ」にも登場したアザラシ料理。
アシリパさんによると「アザラシの肉は血の臭いが強いけどしっかり煮込むことで血が抜けておいしくなる」そうです。
(注:アシリパさん・・ゴールデンカムイに出てくるさまざまな猟師料理を披露してくれるアイヌの女の子)
主なアザラシ猟の方法は、小舟で近づき銛を投げて獲るというもの。
こうして狩猟されたアザラシは皮から油、肉まで余すところなく利用されました。
北海道のアザラシ猟
北海道周辺には5種類のアザラシが生息しています。
北海道では昭和50年代までアザラシ猟が行われてきました。
第二次世界大戦前までは、小規模な猟が中心でした。
浜辺に転がっているアザラシを棒で叩くなどして狩ることも容易だったといいます。
そう言えばアシリパさんもアザラシを棒で叩いて仕留めていましたね。
アザラシは食用、皮革製品、照明用の油の利用とさまざまな役割を果たしました。
第二次大戦中には、大型の漁船でオホーツク海に繰り出し、大量に捕獲されるようになりました。
大漁捕獲されたアザラシの脂は工業原料として利用されました。
戦後はお土産用の皮革製品として人気をほこりましたが、1977年に旧ソ連が200海里漁業専管水域を設定したことによりオホーツク海のアザラシ猟は終了したのです。
現在北海道ではアザラシが増え、漁業への被害が拡大しています。
定置網にアザラシ(ゼニガタアザラシ)が侵入し、網にかかった魚を食い荒らす被害を「とっかり喰い」と呼んでいます。
アザラシは魚を食べる時、のどにヒレが刺さらないように頭から食べます。
そのため「とっかり喰い」では頭だけ食べられた状態の魚が多いです。
ゼニガタアザラシは環境省のレッドリストにも準絶滅危惧種として記載されており、2003年に改正された鳥獣保護法にも守られているのでむやみに捕獲することも出来ません。
アザラシとどのようにして共生していくべきなのか、喫緊の課題となっています。
アザラシを食べてみる
現在ではアザラシは一部許可されたものしか捕獲が認められていませんが、そのようにして捕獲されたものが食肉として流通しています。
なかなか入手困難ですが、通販でも販売していました。
アザラシカレー
獣肉特別セット
アザラシ肉、ではないですが、似たものでトド肉を大和煮で味わえます。
以前はアザラシ肉がセットに入っていたこともあったので、チェックしてみては。
シャチも人間もホッキョクグマも、みんな大好きアザラシ肉。一度は食べてみたいですね。
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