ヘイケガニだけじゃない!平家の人たちは魚にもなっていた

下関と平家伝説

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でもおなじみの平家。

壇ノ浦の戦いで敗れた平家は滅亡し、政権は鎌倉幕府へと移ります。

滅亡したとされる平家はどうなってしまったのでしょうか。

山口県下関市に伝わる平家の伝説をまとめました。

平家に関する生物を見ることができる水族館もご紹介します。

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源平合戦の像

平家の武将が乗り移った「ヘイケガニ」

ヘイケガニは褐色をした2センチほどの小さなカニです。

甲羅の模様が怒った人間の顔に見えることから、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の武将の怨念が乗り移ったのだという伝説が生まれました。

実はヘイケガニは壇ノ浦周辺のみならず、東アジア沿岸域に広く分布しています。
とは言え、壇ノ浦周辺には多く生息しているのだそう。

ヘイケガニの伝説は小泉八雲が著書「骨董」で紹介したことで全国的に有名になりました。この本は日本各地に伝わる伝説や古い怪談を集めたものです。

ヘイケガニは別名「キヨツネガニ」とも言います。

これは、壇ノ浦の戦いの前に豊前柳ヶ浦で入水した平家の武将・平清綱に因んだ名称です。

ヘイケガニは食用とされていませんが、それは殻ばかりで身がないからだそうです。
毒があるわけではないので、一応食べることは可能のようです。

平家の怨念とか言われると、ちょっと食べたくはないですかね。

平家ゆかりの赤間神宮にはヘイケガニが奉納されていた

下関では、漁でヘイケガニが網にかかると、祟りがあると恐れて、神社に奉納していました。

ヘイケガニが奉納されていたというのが市内にある「赤間神宮」です。

今でもヘイケガニの標本が社務所に飾られています。

赤間神宮は壇ノ浦の戦いに敗れ入水した安徳天皇をお祀りする神社です。

竜宮城をイメージして作られたという朱色の水天門は関門海峡のシンボルともなっています。

赤間神宮

「耳なし芳一」の舞台となった赤間神宮

耳なし芳一の話は有名ですよね。

小泉八雲の著書「怪談」で取り上げられ、その後絵本やドラマ、「日本昔ばなし」のアニメにもなりました。
今も語り継がれる物語です。

琵琶の上手な芳一が夜な夜な呼び出されて琵琶を弾いていた相手。それは平家の亡霊でした。

このままでは取り殺されてしまうと気付いた阿弥陀寺の和尚が芳一を助けます。

全身に般若心経を書き、芳一の姿は亡霊からは見えなくなりました。

しかし、なんと耳だけ書き忘れていたのです。

平家の亡霊は芳一の耳だけ持ち帰ってしまいました。

と、これが耳なし芳一のお話ですが、ここに出てくる阿弥陀寺が赤間神宮のことで、赤間神宮の境内には芳一を祀った「芳一堂」があります。

阿弥陀寺は明治の廃仏毀釈により赤間神宮となりました。

芳一堂

赤間神宮には平家一門のお墓もあり、七盛塚と呼ばれています。

こちらは1600年ごろ、関門海峡で海難事故が頻発したことから、平家の怨霊のしわざと騒がれ、祟りをおさめるために周囲の墓標を集めて建立したものと言われています。

彦島に伝わる「コベケ」伝説

彦島は下関市の南端にある陸繋島(陸続きになった過去の島)です。
本州最南西端にあたります。

壇ノ浦の戦い後、彦島にたどり着いた平家武将の妻や女官たち。
平家滅亡を嘆いて、海に身を投げてしまいました。

身をなげた女性たちは綺麗な魚に生まれ変わり、小さい平家と書いて「小平家(コベケ)」と呼ばれるようになりました。

コベケとはコマコダイとも呼ばれるマダイの稚魚のことです。

関門海峡では7~8月ごろによく見られるそうです。

コベケの鮮やかな色合いが、平家の女性たちが身に付けていた美しい着物のように見えることから、そのような伝説が生まれたと考えられます。

一方、海を挟んだ九州福岡県では平家の女性たちは「河童になった」という伝説が残っています。

平教経の妻が「海御前」という河童の総大将となり、女官たちは部下の河童になりました。
河童たちは源氏にゆかりのある人たちを海に引きずり込むなどし、人々を困らせるのだそうです。

彦島から海を臨む

ヘイケガニとコベケに会える水族館

海響館

下関市にある水族館「しものせき市立水族館・海響館」でヘイケガニやタイの展示をしています。

珍しいイルカとアシカの共演ショーや、国内最大級のペンギン展示施設、世界有数のフグの展示にも注目です。

海響館入口

海響館は下関では絶対外せない観光スポットです。

徒歩ですぐの唐戸市場では、旬の魚をリーズナブルに楽しめます。

海響館を見た後は、すぐ横の遊園地はい!からっと横丁がおすすめ。

海峡が一望できる「大観覧車」で九州を眺めてみてはいかがでしょう。

はい!からっと横丁は入園無料。アトラクションは別途料金がかかります。

しものせき市立水族館・海響館

場所山口県下関市あるかぽーと6-1
営業時間9:30~17:30
※季節・曜日等により異なる
休館日年中無休
公式サイト海響館 (kaikyokan.com)
入館料大人(高校生以上):2090円、小・中学生:940円、3歳以上:410円

下関では豊かな自然環境でさまざまなアクティビティを満喫することができます。
アウトドア事業を盛り上げるため市内の事業者が集結し、「動くなら下関」プロジェクトを開催しています。

アソビュー!サイトにリンクします

おすすめ宿泊施設

海響館まで車で5分

その他ヘイケガニの仲間を見ることができる水族館

※展示が中止・終了している場合もありますので、公式サイトなどからご確認ください。

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