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2022年夏、福井県福井市の越前海岸に野生のイルカが現れ、海水浴客を嚙むなどして問題になりました。
その後もイルカは毎年のようにあらわれて、関係者を困らせているようです。
水族館で人気者のイルカ。
時にショーをしたり、お客さんと触れ合ったり。一緒に泳ぐなんてイベントもありますよね。
友好的なイメージがありますが、本当は危ないのでしょうか??
イルカの生態から危険性について考えてみました。
福井の海水浴場に現れたイルカ
海水浴場イルカが現れ問題に
2022年夏、福井県福井市蒲生町の越廼海水浴場で、イルカに嚙まれたという報告が相次ぎました。
実は福井市では、春ごろより別の海水浴場で、ミナミバンドウイルカと見られるイルカが目撃されていました。
そこで、福井市はイルカが苦手とする超音波発信装置を設置する対策をとっていました。
すると今度は14キロ離れた越廼海水浴場に姿を現すようになったのです。
事故を受けて、越廼海水浴場にも超音波発信装置が設置されることになりました。
イルカは群れで行動することが多いのですが、このイルカは単独で沿岸部に棲みついたと考えられます。
2022年度の海水浴シーズンは終わりましたが、来年の夏にもまた現る可能性があり、注意する必要があります。
イルカは冬は荒波の日本海を離れますが、暖かくなるとまた戻ってきます。
福井県警や市の観光課では、イルカに近づかないよう呼び掛けています。
問題のイルカは珠洲のアイドルイルカと同一個体か
福井県のお隣、石川県能登半島の珠洲市。
2020年夏に珠洲市付近の海域に一頭のミナミバンドウイルカが棲みつきました。
愛嬌のある姿で地域の人々に愛され、このイルカは珠洲市から「すずちゃん」と名づけられました。
珠洲市にある須須(すず)神社では古くからイルカが神の使いとされていたこともあり、すずちゃんをモデルにした御朱印が作られ、人気を博しました。
その他にもポストカードや絵本が作られる、ホームページに掲載されるなどと大変な人気者だったすずちゃん。
すずちゃんを良く知る珠洲市の方々は、福井の海水浴場に現れたイルカとすずちゃんは同一個体であると言います。
背びれが欠けているという特徴が一致するのだそうです。
2021年8月には珠洲市から南の志賀町まで移動していたとみられるすずちゃん。
福井のイルカと同一個体なのかどうかは調査してみないと分からないということです。
ミナミバンドウイルカとバンドウイルカの違いとは
ミナミバンドウイルカはバンドウイルカの亜種と考えられていましたが、2000年に別の種であることが認定されたイルカです。
バンドウイルカが沖合を回遊するのに対して、ミナミバンドウイルカは沿岸域に定住する傾向にあります。
日本で「野生のイルカが見られる」と謳っているイルカスイムやホエールウォッチングは、ミナミバンドウイルカである場合が多いです。
見た目の違いとしては、バンドウイルカに比べて、やや小型、吻(クチバシ)が長く、腹部に斑点模様があるのが特徴です。
イルカは人を食べるのか
イルカの食べ物
安心して下さい。イルカは人間を食べません。
イルカが食べるのは主に魚類で、イカやカニなども食べます。
水族館ではサバやシシャモをエサとしている場合が多いです。
イルカの歯
イルカの口の中を見てみると、歯がびっしりと生えています。
バンドウイルカやミナミバンドウイルカで上下合わせて約80~100本、カマイルカだと約120本もの歯が生えています。
イルカの歯は、人間の歯のように食べ物をすり潰す目的では使われません。
イルカは魚を捕まえるために歯を使います。
そのため、人間のような切歯(前歯)や臼歯(奥歯)は無く、犬歯のように先の尖った歯ばかりが生えているのです。
イルカの食事方法
では、どのようにして魚をたべるかと言うと・・・
丸飲みです。
バンドウイルカだと一日約10㎏ほどの魚を丸飲みして食べています。
人間は丸飲みできるサイズではないので、食べることは考えられません。
イルカはなぜ人を嚙むの?
イルカは遊ぶのが好き
イルカは好奇心旺盛な動物です。人間に興味を持っていて、遊んでいるつもりなのかもしれません。
とりわけ福井の海水浴場に現れたイルカは人に興味を持ち、慣れている様子であるといいます。
遊びがエスカレートすると、嚙むにとどまらず、そのまま人間を海の中に引きずり込んでしまうことも考えられます。
また、イルカはじゃれ合っているつもりでも、数百㎏にもなる身体で体当たりをされると、内臓破裂して最悪死に至る可能性もあります。
イルカは危険なのか
では、イルカは危険な生物なのでしょうか?
「水族館などで飼育下のイルカと、飼育員さんの指示に従って触れ合う」限りにおいて安全です。
イルカは賢い動物で、触れ合うことのできるイルカは、専門のトレーニングを受けたイルカだからです。
海外では、水族館のイルカに子供が嚙まれたというケースもあります。
指定の方法でエサを与えなかったり、指示を守らず立ち入り禁止エリアに入ってしまったことが原因のようです。
野生のイルカに触ることはもちろん、飼育下のイルカであっても勝手に触れることは危険です。イルカにとってもストレスになります。
絶対にやめましょう。
おススメ観賞スポット
ミナミバンドウイルカを見ることができる水族館
現在日本でミナミバンドウイルカを飼育しているのは美ら海水族館(沖縄県)だけです。
国内最長飼育記録を誇る「オキちゃん」は他のミナミバンドウイルカやオキゴンドウたちを引き連れ、ショーの中心となっています。
美ら海水族館(沖縄県)
場所 | 沖縄県本部町石川424 |
営業時間 | 通常期 8:30~18:30 繁盛期 8:30~20:00 |
休館日 | 12月の第1水曜とその翌日 |
公式サイト | 沖縄美ら海水族館 (churaumi.okinawa) |
クジラと泳ぐことができる海水浴場
イルカと泳ぐことができる海水浴場はありませんが、クジラと泳ぐことができる海水浴場ならあります。
イルカとクジラはどちらもクジラ目の生き物です。
和歌山県太地町のくじら浜海水浴場では、2008年より毎年クジラと一緒に泳ぐことができるイベントを行っています。
クジラと一緒に海水浴を楽しめるのは、全国でここだけです。
所在地:和歌山県東牟婁郡太地町太地くじら浜海水浴場
問合せ先:0735-59-2335(太地町役場)
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