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イッカクという海獣を知ってますか?
ドリルのような長い角(実は牙)を持ったクジラの仲間です。
かつては伝説の生物とされ、今なお謎の多いイッカク。
そんな不思議な生物イッカクの魅力をまとめました!
イッカクはUMA(未確認生物)出身
イッカクはかつてUMAだった
イッカクは実在する生物です。
しかし、以前はUMA(未確認生物)とされていたんですよ!
UMAとは、存在の可能性があるものの、生物学的には確認されていない未知の生物のことで、ネッシーやツチノコなどが有名です。
イッカクがネッシー、ツチノコと同じくくりだったなんて驚きですよね。
なぜUMAとされていたのか
かつてイッカクの棲む北極海はヨーロッパの人々にとって未知の海域でした。
イッカクのことはイヌイットとの交易によって話には聞くのみです。
本当にそんな妙な姿の生き物がいるのだろうか、人びとは疑問に思ったことでしょう。
ヨーロッパの人々が北極海に行くことができるようになる19世紀までイッカクは伝説の生物だったのです。
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イッカクの生態
イッカクはクジラの仲間
イッカクはクジラの仲間で哺乳類です。
哺乳綱偶蹄目イッカク科イッカク属に分類されています。
身体は、青白い地に茶色の斑点模様をしていますが、年をとるごとに色が明るくなっていき、老齢になるとほぼ真っ白になります。
イッカクの生息地と食性
イッカクは北極海の北緯70度以北のとても寒~い海に棲んでいます。
特にカナダのランカスター海峡には全イッカクの4分の3が生息していると考えられています。
通常5~10頭の群れで生活しています。
時に数百もの大群をつくることもあり、社交的の高い動物です。
タラやイカを食料とし、潜水が得意で20分程度潜ることができます。
イッカクの牙
イッカクの体長は4~5メートルほど。
何と言っても特徴的なのが、オスにのみ見られる角のようなものです。
これは歯が変形した牙で、3メートルほどにまでなります。
体長を考えると、大変長い牙であることがわかるかと思います。
牙には左ねじ方向のらせん状の溝があります。
牙は一度折れると二度と生えてきません。
2本の牙を持つイッカク
通常牙は1本ですが、ごくまれに2本持った個体も存在します。
また、メスで1.2メートルほどの華奢な牙を持つ個体もおり、ごくごくまれに2本持つメスも現れます。
牙を持つメスの出現率は約15%程度と比較的高いですが、オスのような太い牙にはならないので、簡単に見分けることができます。
イッカクの天敵
イッカクの天敵は同じく北極圏に棲むシャチやホッキョクグマで、捕食されることもあります。
また、人間も脅威のひとつです。
現在イッカクは捕獲することが禁止されていますが、イヌイットによる伝統的な漁のみ法律で認められています。
牙が工芸品として利用されるほか、肉は食用とされます。
イッカクの牙は何のため?
イッカクの牙は何のために生えているのでしょうか。
性選択に利用されていると考えられます。つまりモテです。
オスのイッカクがメスをはさんで牙の長さを比べ合う様子がよく目撃されています。
イッカクの牙は長ければ長いほど良く、太さや頑丈さは考慮されないようです。
「感覚器官」であるという説もあります。
牙には内側から外側に向かって神経系の集合体があり、牙を介してまわりの環境を感じとることができるというのです。
ほかにも、牙で叩いて魚をとる様子も確認されています。
いまだよくわかっていないイッカクの牙ですが、複数の役割を持っているとも考えられています。
ユニコーンの角はイッカクの牙だった
ユニコーンの角の正体
ユニコーンは額に一本の長い角を持つ馬のような伝説上の生物です。
角には水を清め、あらゆる病気を治す力があるとされています。
角の形状はらせん状の筋の入った長くて尖ったものであるのが一般的です。
この角、何かに似てませんか?
そうです、イッカクの牙にそっくりですよね。
ユニコーンの角として世間に出回っているものはイッカクの牙だったのです。
高額で取引されるイッカクの牙
中世ヨーロッパでは、イッカクの牙をユニコーンの角と偽って高額で売買されていました。
中世ヨーロッパでは、まだイッカクの本当の姿が知られてなかったので、みんながユニコーンの角であると信じ込みました。
江戸時代の日本にもオランダ経由で輸入され、当時の価値は同じ重さの金の10倍ほどだったといいます。
現在、イッカクの牙はワシントン条約で国際的な取引が禁止されています。
大変貴重なイッカクの牙ですが、2021年5月放送の「なんでも鑑定団」に登場した際の評価額はなんと300万円でした。
中世ヨーロッパではユニコーンの角(イッカクの牙)には解毒作用があると信じられていました。
日本に入ってきた時も麻疹の薬などとして使われていました。
一方で薬として以外の使われ方もありました。
有馬温泉の老舗旅館「向陽閣」には、秀吉のものとされる「ユニコーンの角でできたかんざし」が所蔵されています。
金沢市の兼六園に隣接する成巽閣にある茶室「三華亭」では「ユニコーンの角」がはめ込まれた欄間を見ることができます。
このようにユニコーンの角、もといイッカクの牙は薬としてだけでなく、加工されて調度品としても使われたのです。(※どちらも非公開です。)
イッカクを展示している水族館
イッカクの生体展示は不可能
残念ながら、イッカクを飼育・展示している水族館は世界中どこにもありません。
イッカクは飼育するのが大変難しい動物です。
過去には海外でイッカクの飼育を試みたこともありますが、まもなく死亡してしまったそうです。
イッカクを学ぶことができる施設
それでもどうしても見たい!という方に。
イッカクの模型や剥製、骨格標本を展示しているところをご紹介します!
「新体感エリア」の北極圏のコーナーにレプリカのイッカクがいます。
海遊館(大阪府)
場所 | 大阪府大阪市港区海岸通1-1-10 |
営業時間 | 10:30~19:00 ※季節・曜日等により異なる |
休館日 | 不定休 |
公式サイト | 世界最大級の水族館 海遊館 (kaiyukan.com) |
超貴重なイッカクの剥製を展示しています。
過去にはイッカクの牙に触ることができるイベントもありました。
鳥羽水族館(三重県)
場所 | 三重県鳥羽市鳥羽3-3-6 |
営業時間 | 9:00~17:00 ※特別営業時間あり |
休館日 | 年中無休 |
公式サイト | 鳥羽水族館 公式サイト (aquarium.co.jp) |
博物館の特別展示でイッカクの骨格標本が展示されることがあります。
千葉県立中央博物館で開催されていた特別展「鯨」(2022年7月16日~9月25日)ではオスとメスのイッカクの骨格標本が展示されていました。
他にも、過去に国立科学博物館などで同様の企画展が催されています。
イッカクの骨格標本を見る機会は大変貴重なものです。
私も上記の千葉県立中央博物館特別展「鯨」で初めてイッカクの骨格標本を見て大変感動しました。
また同様の機会があれば、ぜひチェックしてお出かけしてみてください。
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